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2024.11.16
#ブログ
【坪単価の闇】付帯工事や諸経費を正確に把握しよう
家の新築を考えている際に「坪単価」という言葉をよく耳にします。
広告や説明でも頻繁に見られるこの坪単価ですが、実は本体工事だけの費用である場合が多く、付帯工事や諸経費が含まれていないことがほとんどです。
このため、坪単価だけで家の予算を判断してしまうと、予想以上の出費になるケースが少なくありません。
この記事では、坪単価の正しい見方や、見逃しがちな付帯工事や諸経費について詳しく解説し、家づくりを安心して進めるためのポイントをご紹介します。
※この記事は、坪100万円の工務店に10年勤務したのち、史上最高のコスパ住宅を扱うカワムラホームにジョインした者が執筆しております。
変わった経歴の持ち主なので、気になる方はチェック▼
INDEX
坪単価とは
坪単価とは、建物1坪(約3.3平方メートル)あたりの建設費用のことを指します。
これは主に「本体工事」に関する費用のみが含まれており、家を建てるための総費用を網羅しているわけではありません。
坪単価が低ければ住宅費用が安いと考えがちですが、実際には見えない部分に費用がかかるため、坪単価だけで家づくりのコストを判断するのは危険です。
坪単価の計算方法「土地編」
住宅の総予算には「土地代」と「建物代」がありますが、坪単価は土地代と建物代を別々に計算するのが一般的です。
まず、土地に関する坪単価の計算方法を見てみましょう。
土地坪単価の計算式
土地の坪単価は次の式で求められます。
土地坪単価 = 土地価格 ÷ 土地面積(坪)
例えば、札幌市内で1,000万円の土地を50坪で購入した場合、土地坪単価は以下のように計算されます。
1,000万円 ÷ 50坪 = 20万円/坪
エリアや条件によって土地坪単価は大きく異なりますので、同じ予算でも立地や広さに影響することを踏まえて検討しましょう。
坪単価の計算方法「建物編」
建物に関する坪単価も土地同様に計算できますが、実際には「本体工事」「付帯工事」「諸経費」などが別にかかります。
ここでは建物坪単価の基本計算を確認します。
建物坪単価の計算式
建物の坪単価は以下のように計算されます。
建物坪単価 = 建物価格 ÷ 延床面積(坪)
例えば、2,000万円で延床面積が40坪の家を建てる場合の坪単価は次の通りです。
2,000万円 ÷ 40坪 = 50万円/坪
しかし、この坪単価には付帯工事や諸経費が含まれていないことが多く、最終的な総費用はさらに上乗せされることになります。
安易に坪単価を信じてはいけない?
坪単価は本体工事費のみを反映しているケースが多く、住宅の総費用を正確に表していないことが一般的です。
付帯工事や諸経費が加わると、想定以上のコストになることも珍しくありません。
そのため、坪単価だけを基準にせず、トータルでの予算をしっかりと把握することが重要です。
次の章では、具体的に家づくりにおける本体工事・付帯工事・諸経費を説明していきます。
家づくりの総費用は本体工事・付帯工事・諸経費でできている
住宅の総費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つで成り立っています。以下では、それぞれの詳細を見ていきましょう。
本体工事とは
本体工事とは、建物そのものに関わる工事費で、主に以下の3つの費用に分かれます。
躯体工事費:建物の骨組みや基礎を構築するための工事です。基礎工事、柱や梁を組む作業が含まれ、建物の耐久性や耐震性を決定づける重要な部分です。
仕上げ工事費:建物の外壁塗装や内装のクロス貼り、フローリングの敷設など、住むために必要な内部の仕上げを行う工事です。外装や内装の美観や快適性を向上させる部分でもあります。
設備工事費:キッチンや浴室、トイレなどの水まわりや、電気・水道の配線や配管工事など、実際に生活するための設備を取り付ける工事です。建具や造作家具などの取り付けも含まれます。
付帯工事とは
付帯工事とは、建物以外の環境整備や周辺設備に関わる工事を指し、以下の費用が含まれます。
地盤改良工事:土地の地盤が弱い場合に必要な強化工事(地盤調査の結果により実施)
造り付け家具:壁付けの収納や棚などの造作家具
冷暖房設備:エアコンや室外機の設置に必要なスリーブ孔の工事を含む
電話機および通線工事:電話回線の敷設工事
LANなどの特殊設備:通信やインターネット配線工事
室内装飾品:カーテン、カーテンレール、ブラインドなど
エクステリア類:テラスやバルコニー、ウッドデッキなど
造園工事:植栽や生け垣などの庭作り
外構工事:玄関アプローチや門扉フェンスなど、家周辺の外構設備
照明器具:屋内外の照明設置
上下水道引き込み工事:水道引き込みや下水道負担金が必要な場合があります
付帯工事費の目安は、建物価格の10〜20%程度が加算されることが多いため、これも総予算に含めて考慮しましょう。
諸経費とは
諸経費には、建物や土地の購入に直接関わらないさまざまな費用が含まれます。以下は一般的な諸経費の項目です。
契約に関する費用:工事契約書の印紙代や、住宅ローン契約時の印紙代
登記費用:土地や建物の登記、融資手数料などの登記関係費用
火災・地震保険料:建物の完成後に必要な保険料
建築関連の税金:不動産取得税、固定資産税、登録免許税など、建築時および完成後にかかる税金
近隣への挨拶代:地鎮祭や上棟式、近隣挨拶などの費用
仮住居費や引越代:建築期間中に一時的な住居が必要な場合や、完成後の引越しにかかる費用
※設計・監理料、確認申請費用、中間検査・完成検査の費用、瑕疵保証料などもかかる場合も
これら諸経費の総額は、建物価格の5〜10%程度となることが多く、予算を超える原因になりやすいためしっかり確認しておきましょう。
まとめ
坪単価は、住宅の予算を知るための参考値に過ぎず、実際の総費用には本体工事費、付帯工事費、諸経費が加わります。
家の総費用のうち付帯工事が10~20%、諸経費が5~10%を占めると考えると、坪単価だけでは家づくりの総額の70%前後しか表記されていないことになります。
坪単価に惑わされることなく、付帯工事や諸経費をしっかり把握し、安心して家づくりを進めていくための材料にしてください。
それでカワムラホームはどうなの?
この記事を執筆しているカワムラホームはいったいどうなのか?を簡単に説明いたします。
簡潔に言いますと、カワムラホームでは、カタログに記載の建物金額にほとんどの付帯工事費用は”入っております”。
”ほぼ”とお伝えしたのは、地盤調査の際の杭代金は「実際に土地に穴を空けて調査後に費用が確定」となるため、含めておりません。
ただ、近隣のデータから「おそらく〇mの杭が入る予想なので、〇〇万円は資金に組んでおきましょう」などの提案を土地によってすることがございます。
杭代金はケースバイケースなので、その都度ご相談いただければと思います。
追記
家の総費用も大切ですが、建物の性能を表す「UA値」や「C値」、「Q値」などの指標にも注意を払う必要があります。
「安かろう悪かろう」の物件を掴まないためにも、断熱性や気密性の数値はマスターしておきましょう。